5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように)、起承転結(主題→展開→転換→結論)、PREP法(要点→理由→具体例→要点)などの注意点よりも重要なことがあります。
それは、印象に残すためには、思い切って伝えたいポイントを1つに絞る(シンプルにする)ことです。伝えたいこと全てを完全に説明するより、聞き手に少し想像してもらうようにするのもいいかもしれません。
そして、ビジュアル効果(映像が浮かぶような表現)を意識しましょう。
また、話し方教室に通っているある生徒が「これまで多くのスピーチを聞いてきた中で記憶に残った話を分類すると、①共感できる話、②興味のある話、③爆笑した話、のいずれかです。」と言っていました。
自分の経験でもその通りだと思いますが、いかがでしょうか? 共感や興味をもってもらう話は難しいかもしれませんが、できれば笑いの要素をどこかで取り入れたらいいですね。
声(大きさ、質、抑揚、スピード、発音)、目線(アイコンタクト)、表情、姿勢、動作(身振り手振り、ジェスチャー)などの表現方法については、色々と注意するポイントがあります。
以下、いくつか列挙します。
< 声 >
腹式呼吸をする、下腹部(丹田)から声を出す、口を大きくあける、少しゆっくり話す、
強弱をつける
<目線>
目の間の少し下あたりを見る、前の人から後ろの人へと全員に目をくばる
<表情>
口角を上げる、笑顔をつくる
<姿勢>
足先は60度に開く、あごは床と水平にする、胸をそらす、肩の力をぬく、下腹部をのばす、
お尻を締める
<動作>
手のひらを開いたまま、垂直に親指があなたの顔に向くように縦に何度か振り下ろす、
指で数を示す
スピーチにおいて、内容や表現よりも重要なのは、聞き手に伝えたいという感情(思い)です。感情は、コミュニケーションの根幹をなすものだと思います。話の構成や表現方法などのテクニックが多少劣っていたとしても、何が何でも伝えたいという情熱があれば、話は伝わるのではないでしょうか?
また、聞き手の感情やニーズ、場の空気のようなものを感じとる感性も必要です。自分よがりにならないように心がけたいものです。そのためには、場数を踏むことで感性を磨いていく必要があると思います。
そして、そもそも魅力的な人の話には、誰もが耳を傾けます。人間性豊かで人を惹きつける存在感のある話し手になれたらいいですね。